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すり下ろした山の芋に掛けてあるつぶつぶはとんぶりである。畑のキャビアともいわれる珍味でその実体は箒の実。と書いても知らない人には理解不能だろう。ぷちぷちとつぶれる食感が楽しく、わずかに木の香りがするがこれといった味はない。醤油を少し垂らして山の芋と混ぜて、ずるずるぷちぷち食べる。母の実家、秋田の特産らしい。珍味だけあって毎日食卓に上るようなものではない。特殊な肴だ。「いつもと違うもの」を少しだけ味わうことも酒の楽しみだ。非日常的であることそのものが肴になる。
はんぺんはバターで焦げ目を付けて焼き、熱々をわさび醤油で食べる。こちらは想像通りのふわふわとした食感と香ばしい風味で、想像通りうまい。
キュウリとキャベツの自家製の塩漬けも当たり前の味でうまい。当たり前のものが当たり前に楽しめる日常そのものもまた、良い肴なのだ。
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